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自筆証書遺言の作成方法と留意事項について
最近は、子供のいない夫婦や将来子供たちが相続争いをしないように遺言を書かれる方が増えてきました。今回は、自筆証書遺言の留意事項についてご説明いたします。
自筆証書遺言は、文字通り自筆で書いた遺言書のことで、費用もかからず、証人もいらないことから簡単に作成できると思われがちです。しかし、民法では遺言の方式を規定しその方式を満たさない場合には遺言を無効としているため、民法の定める方式を十分に理解して作成する必要があります。

1.自書について
  • 自書とは文字通り自分で書くことを意味しますので、パソコン、ワープロ等によって作成することや他人に代筆させることはできません。一般的に年輩の方は、文字を書くことに慣れてはいませんので自筆で自分の思いをすべて書くことは容易ではありません。


2.日付について
  • 日付についても、遺言者の自書が必要です。日付が必要とされる理由は、遺言作成時の遺言者の遺言能力の有無、内容の抵触する複数の遺言がある場合に、その先後関係を明らかにするためです。日付が無い遺言は、無効です。日付の記載方法としては、年月日を明らかにして記載します。西暦でも元号でもどちらでもかまいません。日付は、遺言の成立の日が確定できればよいので、平成23年の私の誕生日、還暦の日などの記載でも問題ありません。ただし、平成23年10月吉日という記載は日付の特定を欠くものとして無効と解されています。


3.自署について
  • 遺言書には、遺言者が氏名を自署しなければならないとされています。氏名については、通常は戸籍上の氏名が用いられますが、遺言者の同一性を確認することができればよいので、通称、ペンネーム等を用いても問題ないと考えられています。ただし、要らぬ紛争により遺言が無効となってしまっては、当初の目的を達成することができませんので、署名は、戸籍上の氏名を正確に記載することが望ましいでしょう。


4.押印について
  • 押印は、原則として遺言者自身がしなければなりません。使用する印には格別制限はありませんが、実印を使用するのが望ましいでしょう。


5.用紙、用具
  • 用紙、筆記用具には特に制限はありません。筆記用具については、保存や変造防止のことを考えると鉛筆ではなくボールペン、万年筆などが望ましいでしょう。


6.訂正について
  • 遺言の内容を訂正するためには、法定の訂正の方式によって訂正しなければなりません。
    具体的には、訂正個所を二重線などで抹消して訂正をした上で、①遺言者が、②訂正個所を指示し、訂正した旨を付記して、③付記部分に署名をして、④訂正の場所に印を押さなければなりません。一般の慣行としては、文書の訂正に署名までは必要とされていませんので注意が必要です。


7.その他
  • 相続、遺贈する財産の特定については、既登記の不動産の場合は登記簿謄本の表示をそのまま記載するのが望ましいと考えられます。その他株券、預金等についても、明確に特定するように気をつけましょう。
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